と、言う。と、言う。

うつ患いの、籠りがち書生 ということで

あさもよし、あさもよい・あさもよひ 麻裳よし、朝催い

あさ-も[麻裳]

麻布で作った裳。

ー-よいヨヒ〘枕〙

(「あさもよし」の誤解から生じた語)「麻裳よし」に同じ。今鏡「ー紀の関守が手束弓」

ー-よし[麻裳よし]〘枕〙

紀伊国からよい麻を産出したので)「き(紀・城)」にかかる。

広辞苑 第四版 より

 

「麻裳よい」、何が「誤解」なのだろう?と暫し疑問に思い、気が付く。

ああ、「あさもよい」と、書いたのかと。

 

あさ-もよい‥モヨヒ[朝催い]

①朝食の準備。また、朝食時。俊秘抄「ーとはつとめてもの食ふ折を言ふなり」

②朝食。

広辞苑 第四版 より

 

「あさもよい」の項にある句は、「あさもよひ」と表記し書かれたらしい。

ともすれば、「朝催い」を枕詞と誤解したとも捉えられかねない。

枕ならば前後の語で文脈を考えずともよい。「麻」と「紀」とを頭の中で結びづけずともこの句を仕上げられるとも考えられる。

 

 

「あさもよひ」を用いた作者がどのような思いで用いたかは、やはり定かではないけれども、

何が「誤解」なのだろう?という最初の疑問は幾許か晴れたように感じられたのであった。